2018.11.01
前回のインタビューに引き続き「サウンドメモでマインドマップできる新しい録音ツールAPP Soundmapを使って音のアイデアをつなげよう!」のコンセプトのもと、今回は「未来古代楽団」としてゲーム・アニメの楽曲制作を手がけるなどご活躍の、砂守岳央さんと松岡美弥子さんのお二人にインタビューさせていただきました!
スタジオでの制作現場へ直接お邪魔し、音楽制作活動のお話とAPPレビューをしていただきました。
砂守 岳央さん(以降、S)
もともと二人で共作していることが多くて、(小説デビューをするタイミングで)たまたま自分のプロフィールを検索したときに「誰だかよくわからない」状態になっていたので、音楽制作のクレジットがまとまっていると分かりやすくて良いのではと考えてユニット名をつけた感じですね。結局、名前とユニット名の全てを表記することが多いですが(笑)
もう1つの理由は、ちょうど結成のタイミングに『悠久のユーフォリア』『グリムノーツ』という各タイトルの楽曲制作を行っていて、それぞれ方向性は異なるものの、どれもファンタジー色の強い作品だったのもあって、ファンタジー感をまとめるのに良いネーミングということで「未来古代楽団」と名づけました。
松岡 美弥子さん(以降、M)
ほんとに突然でしたね「いいんじゃない?」くらいの早さで決まりました(笑)
S
まぁ明確なきっかけがあるというよりは、それまでの活動に名前をつけてみたという感じですね。
M
そうですね、学生のときにカリキュラムの課題として作品を作ったのが最初ですね。サウンドデザイン演習だったかと。
(二人は共に東京芸大の大学院出身で、共作もそこから発表している)
もう10年以上たちますね。思えばその時から全然制作の手法変わってないよね?
そうだね(笑)
松岡さんがピアノを弾く隣にいて「それじゃないな」「それもちがうなぁ?」「それいいね」「この部分こうしない?」みたいな感じで制作していることがほとんどですね。僕はその初めての共作のときに「空虚五度」というのを彼女から教えてもらいました。
(空虚五度とは、楽曲中における完全五度のみの響きを指す音楽用語。主要な音を抜くことで楽曲が曖昧になる)
BGM制作だと結構使われるんですね、長調!短調!とはっきり認識できてしまうと曲の印象が強すぎて邪魔になるときとかに頻出します。
学生の当時はスタジオを1時間だけ押さえて、集まったタイミングで「さて、どうする?」みたいにスタートすることが多かったですね。
「どうしよっか?」と言いながら、まずはスタジオの床でゴロゴロするとかしましたね(笑)
しましたねー、大体そこから「そろそろやるか」ってなります。(笑)
――楽しそうですね、今でも一緒に集まって制作するのが多いのでしょうか?
最近は海外での活動が多くて、ネットでデータをやりとりすることが多いですね。
日本にいないもんね(笑)でも、やはり1番はじめ会って話すことが多いです。そこだけでも決まってると後がスムースなので。
――楽曲制作は打ち込み(仮想音源)がメインなのでしょうか?
最初に打ち込み音源でトラックを作って、生演奏に差し替えることがほとんどですね。一発録りするのはJAZZのときぐらいじゃないかな。
ああ…言語化が難しいですね。一概には言えませんが、メロディーがある楽曲に関しては、楽曲の印象の強さみたいな部分がコンセプトかなぁと思います。
歌とかインストでも、耳に残るものを作ろうと心がけています。口ずさんでしまうくらい印象に残るものを作るようにしていますね。
――そういった制作中で苦労することはありますか?
僕はメロディーの部分ですね、書き直しを何度もすることが多いです。
私もそうですね、逆にメロディー以外の部分はテクニックや知識でカバー出来る部分も多いのですが、メロディーの部分は頭の中で考えていても良いものが出ることが少ないですね。
例えば歌を作っている場合で、Aメロ→Bメロ→サビまで作って、(特に歌の場合は歌手によって歌える高さの限界がかわるので)Aメロを作り直して、サビに繋がるようにBを変更して、流れがかわったからサビももう一回作って…ということがあります。結局2曲分作ってしまってるっていう。
そのパターンは多いよね!だから二人で制作しているときは「サビだけ変えていい?」というふうに、どんどん改変されますね。二人分の広がりが楽曲に詰め込まれます!
二人でライブしよう!と数年前から何度も言っていますが、なかなか実現してませんね。
そうですね、「未来古代楽団」としてはあまりハッキリと演奏出演はしていませんね。いい加減に楽曲も溜まってきたので、そろそろ単独ライブなどやらないと!と思っています。
楽曲制作中はもちろん自分たちで演奏するし、他(五線譜や打ち込み)と同じくらいの割合で演奏します。鍵盤楽器等はほとんど私が演奏していますね。お客さんの前でも是非やりたいですね。
――ライブ楽しみです!是非実現してください!
インタビュー 2/2につづく