【ラディウス RM-ATZ19 使用レビュー】手軽にバイノーラル録音ができるイヤホン型マイク!

更新: 2023.08.25

イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19 レビュー

ASMR、ヒーリングサウンド(環境音や自然の音)、ささやき声など、立体感のある繊細な音を録音するために必要な「バイノーラルマイク」

今回はラディウスより発売のイヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19をスタッフが実際に使用して、詳しくレビューしていきます。いろんなシチュエーションで録音した音や、オススメの使い方について詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください!

ラディウス RM-ATZ19 イヤホン型バイノーラル録音マイク

まず「バイノーラル」っていったい何?

商品をレビューしていく前に、「バイノーラル」について簡単に解説します。

バイノーラルbinaural)」とは、英語で「両耳の」という意味の形容詞。“バイノーラル録音”や“バイノーラル音声”といった表現に用いられます。

人間は右耳と左耳、2つの耳で音を聴いており、それぞれの耳で聴き取った音を脳内で瞬時に処理することで、位置や方向、距離などのあらゆる情報を感じとっています。

バイノーラル録音はダミーヘッドや専用のイヤホンマイクなどを使って人間が音を聴く環境を再現して録音することで、それらの情報が感じられるような立体的な音を録音する方法です。

バイノーラル録音された音は、ステレオ再生に対応したイヤホンなどで聴くことで、まるで自分が実際に体験しているかのような臨場感が感じられます。

バイノーラルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

>「バイノーラル」とは?バイノーラル録音の魅力や録音方法を解説!【RM-ATZ19

今回レビューする「ラディウス イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」はイヤホン型のマイクです。早速レビューしていきましょう!

「RM-ATZ19」製品特徴・見た目

本体の見た目・マイク部分

RM-ATZ19RM-ATZ19カラーはレッド。ケーブルの長さは約110cmと、一般的な有線イヤホンとほとんど同じ長さに感じられます。

見た目は普通のイヤホンと同じようですが、しっかりと小型のマイクが内蔵されています。平たく言うと、イヤーピース側がイヤホンの役割で、背中側がマイクの役割を果たしているようなイメージ。RM-ATZ19 プラグプラグは2つあり、赤がマイク用のプラグ、黒がモニター用のプラグです。45度形状のプラグモールドは、録音機器の接続位置に左右されずに使用できるので小回りが利き、ケーブルへの負担が軽減できます。

イヤーピース

RM-ATZ19 ディープマウントイヤーピース

イヤーピースは「ディープマウントイヤーピース」が付属しています。耳の中でフィットするエリアが広いので、密閉感が高く遮音性に優れています。安定感があるので落下防止にも!

ラディウス HP-DME ディープマウントイヤーピース
RM−ATZ19 ウィンドスクリーン

付属のウインドスクリーンを装着すれば、屋外での収録時に風が吹いている状況でもノイズを軽減してクリアな録音が可能です。

装着感

RM−ATZ19 録音

「マイクが内蔵されている分、重くなるのでは?」と思いきや、手に持っても重く感じることはなく、装着方法も普通のイヤホンと変わらないため、ストレスなく着けることができます。

傍から見ても、見た目は普通のイヤホンなので、ただ音楽を聴いているようにしか見えません。録音している様子が目立たないのはかなり嬉しいポイント!

さすがにダミーヘッドを持ち歩いていたら怪しいし悪目立ちしますからね。

性能

 見た目だけではわからない、「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」の性能をもう少しご紹介。

ハイレゾ録音に対応

マイク製品として、日本オーディオ協会のハイレゾマークを取得しています。30Hz~40,000Hzの広帯域を収音可能で、より再現性が高く臨場感あふれるバイノーラル音声のハイレゾ録音に対応しています。

ただし録音機器がハイレゾに対応している必要があるので注意です。

 

小口径ながら高性能のマイクEMC
RM-ATZ19 マイク

「イヤホン型の小さなマイクで録音なんてできるの…?」と思いますが、ご安心を。

高性能なマイク関連製品を提供する株式会社プリモ製のエレクトレットコンデンサマイクロホンを搭載しており、低域から高域、細やかな音や繊細な表現もクリアに録音することができます。

録音中もクリアに聴こえるFLW構造のドライバーを搭載
RM-ATZ19 ドライバー

楽曲リスニングイヤホン用のドライバーをベースに、バイノーラル音声の聴取や分析に特化したモニター向けのチューニングを施しています。

イヤホンを装着して録音している最中も、録音した音をチェックするときにも、クリアな音を聴くことができます

実際に録音!「RM-ATZ19」製品レビュー

いよいよ、実際に「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」を使って色々な音を録音していきたいと思います。

①「ASMR」を録音する

はじめに、バイノーラル録音をするなら外せない「ASMR」を録音したいと思います。

ASMRとは、聴覚・視覚から感じられる心地よさやゾクゾクする感覚のことを指します。

バイノーラル録音はまるで自分が実際に体験しているかのような臨場感のある音を録音することに特化しているので、「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」を使って録音すれば、よりリアルでゾクゾク感の高いASMRの再現が期待できます…!

※なお、本記事に掲載している音声データは聴き取りやすいように音量等を調整しています。

マラカスを振る音

まずは頭の周りでマラカスを振る音を録音してみたいと思います。

使うのはこちらのおもちゃのマラカス。振るとシャカシャカと優しい音が鳴ります。違いを比較するために、「モノラル(iPhone7)のマイク」イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19の2つを使って録音しました。

モノラル(iPhone7)のマイクで録音

比較のために、まずはモノラルのマイクで録音した音を聴いてみましょう。

使用したのはiPhone7の「ボイスメモ」アプリです。

iPhoneを使って音を録音する場合、「ボイスメモ」のアプリを使うとモノラルで録音されます。

(イヤホン・ヘッドホンを使用してお聴きください)

音の強弱はあるものの、位置や空気感などの“3Dっぽさ”は感じられず、どこから音が聴こえているかわからないので臨場感がありません…。

「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」で録音

同じ状況を、本記事のメインである「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」で録音してみます。iPhoneで録音された音との違いに注目してみてください。

(イヤホン・ヘッドホンを使用してお聴きください。)

頭の周りや耳の近くでマラカスがシャカシャカと回っているのがリアルに感じられてゾワゾワしますよね!

モノラルのマイクと違って音のする位置がリアルに感じ取れ、実際に体験しているような感覚になります。これぞASMRならでは!といった臨場感のある音が録音できました。

ハサミの音

次は、頭の周りでハサミをチョキチョキする音を「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」で録音してみました。

(イヤホン・ヘッドホンを使用してお聴きください)

頭の周りでじっくりとハサミを鳴らす音が聴こえ、臨場感のあるちょっぴりホラーな音が録音できました!

特別な機材やノウハウがなくても手軽に録音することができるため、ASMRの動画を撮ってみたい方、配信などを始めてみたい方、初心者の方にもオススメできます。

ちなみに、頭の周りでマラカスやハサミの音を鳴らすような”客観的な音”を録音するにあたって、自分以外の人にイヤホンをつけてもらう必要があるのですが、「イヤホンをつけてもらう相手がいない!」なんて時のために、ダミーヘッドを自作してみました。ダミーヘッド 自作発泡スチロールのマネキン(頭部)の耳に穴を開けて作った、ダミーヘッドです!

左右のイヤホンを離して固定するだけでも録音は可能ですが、バイノーラルマイクで録音する際には人が実際に音を聴く状況に近ければ近いほどリアルな音が録音できます。

そのためには、耳だけではなく鼻や頬なども重要なパーツになるので、ダミーヘッドを自作する際にはこのように顔の作りがしっかりとしたマネキンを使うのがおすすめです。(見た目がちょっと怖いのが難点ですが…)

②「環境音」を録音する

次に、自分の耳で感じている“主観的な音”を直接録音したい!ということで、「森の中の音(環境音)」を録音します。

さっそく現地へ向かい、レコーディングの準備をします。

今回使用するのは「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」と「ICレコーダー」。

イヤホンを耳に装着し、ICレコーダーのスイッチをオンにしてポケットにしまったら録音開始!

森の中でしばらく立ち止まり、録音できた音がこちらです。

(イヤホン・ヘッドホンを使用してお聴きください)

鳥のさえずりが左右からそれぞれ聴こえ、人が後ろを通り過ぎる音がリアルに感じられます!

今回は森の中で録音しましたが、お気に入りのカフェや公園など、心地よい環境音を録音してみたい!という時にはピッタリですね。

③「動物の鳴き声」を録音する

最後は「動物の鳴き声」の録音に挑戦しました。

会社から帰宅した飼い主を手厚くお出迎えする、ネコちゃんの鳴き声を録音してみたいと思います。

(イヤホン・ヘッドホンを使用してお聴きください)

ドアを開けると、ネコちゃんが鳴きながらウロウロしたり、近くに来てゴロゴロと喉を鳴らして甘える様子が目に浮かびます!

愛するペットの鳴き声を、いつでもどこでもリアルに聴くことができる、幸せな音源が完成してしまいました…。

このように、動物の鳴き声や人の声なども自分が体感したままに録音することができるので、思い出や会話をより鮮明に記録するような使い方が期待できます。

 活用方法・魅力

実際に録音した感想を踏まえて、この「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」の活用方法や魅力をご紹介します。

外での収録に最適

やはり一番の魅力は「イヤホン型」であることだと思います。「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」は一般的な有線イヤホンとほとんど変わらない見た目なので、収録風景が目立ちません。そのため、手軽に持ち運べるのはもちろん、人の目を気にすることなく録音ができ、周りへの迷惑にもなりません。

またディープマウントイヤーピースのおかげで装着時の密閉感やフィット感が高いのも嬉しいポイント。

主観的な作品作りにおすすめ

イヤホン型のもう一つの魅力として、主観的な音の収録に向いていることが挙げられます。

旅行先での街歩きやお気に入りの環境音、動物の鳴き声や人の声など、自分が聴いている音をそのまま録音できるので、体験した思い出を空気ごと保存することができます 

 場所を取らない

シンプルかつ重要なポイント。個人でバイノーラル音声の録音をしている人は、機材の置き場も限られてしまうため、保管の際に場所を取らない手軽さが魅力です。

ハードルの低さから、これから動画撮影を始めたいと思っている人にもおすすめできる製品です。

まとめ

イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」の製品特徴や使用感についてご紹介しました。

バイノーラルマイクは様々な形のものが販売されていますが、

・手軽にバイノーラル録音を始めてみたい

・心地よい環境音を録音してみたい

・ASMRの音源を録音してみたい

・思い出の音を鮮明に残したい

という方はぜひ、「イヤホン型バイノーラル録音マイク RM-ATZ19」を使ってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ラディウス RM-ATZ19 イヤホン型バイノーラル録音マイク