Bluetoothには「マルチペアリング」と「マルチポイント」という機能が用意されています。
よく似た言葉なので混同しやすいのですが、両者の意味は明確に異なっています。
マルチペアリングとマルチポイントの違いについて説明します。
2台のBluetooth機器を接続するには、必ずペアリングという作業を行わなければなりません。
ペアリングとは、通信の安全を確保するために、親機と子機で互いの設定情報を登録しておく作業です。
例えば親機がスマートフォン、子機がBluetoothイヤホンだったとします。
子機のBluetoothイヤホンをスマホで使えるようにするには、まず最初に必ずペアリングを実行します。
やり方は簡単でBluetoothで接続して使いたい機器同士をどちらもペアリングモードにすればペアリングが完了することがほとんどです(製品によってはパスコードなどの入力が必要な場合もあります)。
一度、このペアリングを実行してしまえば、次回からはいちいち2台のペアリングする必要はありません。
情報はすでに登録されているので、あとはBluetoothの電波が届く範囲内で親機と子機を起動するだけで、自動的に両者が認識され、接続されて使用できるようになります。
マルチペアリングとは、1台の子機に対し、複数の親機を登録する機能のことです。
従来のBluetooth機器では、子機を使っていて親機を切り替えるときには、そのたびにペアリングし直さなければなりませんでした。
しかし、マルチペアリング対応のBluetooth機器ならその作業が不要になります。
例えば1つのBluetoothイヤホン(子機)に、スマホ、タブレット、音楽携帯プレーヤーなど、複数の親機を登録し、設定を記憶させることができます。
複数の親機で1つのBluetoothイヤホンを使用したいときに、ペアリングをやり直すことなくスムーズに親機を切り替えられるので便利です。
ただし、そのBluetoothイヤホンで、複数の親機を同時に使用することはできません。接続はあくまで1対1です。
なお、マルチペアリングできる台数は製品ごとに決まっています。上限を超えてペアリングした場合は、古い設定から順に情報が消えていきます。
マルチポイントとは、マルチペアリングと同様に、1台の子機に対し複数の親機を接続する機能のことですが、同時に接続が可能な点がマルチペアリングと異なります。
例えば、1つのBluetoothイヤホンに、2台のスマホを接続しておけば、どちらのスマホに着信があってもBluetoothイヤホンで対応できます。
いわゆる同時待ち受けができるので、マルチポイントは仕事用とプライベート用のスマホ(あるいは携帯電話)を2台持ち歩いて使用しているときなどに便利です。
これに対し、マルチポイント非対応のBluetoothイヤホンの場合は、マルチペアリングによって登録した2台のスマホがあったとしても、常に片方のスマホとしか接続できないので同時待ち受けすることはできません。
同じBluetoothイヤホンで1台のスマホと接続していて、もう1台のスマホを使いたいと思ったら、最初のスマホとの接続を一旦切断し、2台目のスマホと接続してから使うことになります。
Bluetooth機器同士を接続して通信するときには「接続プロファイル」が使われます。
接続プロファイルとは、Bluetooth通信時の動作や送受信するデータの内容が定義された、接続のためのルールのことです。
接続プロファイルは、機能ごとに共通のルールが定められています。
例えば通話用のプロファイルと、音楽再生用のプロファイルは別々に用意されています。
通話も音楽再生もできるBluetoothイヤホンは、その2つの異なるプロファイルをどちらとも持っているということです。
逆に、通話用のプロファイルしか持っていないヘッドセットでは、音楽再生はできません。
多機能なBluetooth機器ほど、たくさんのプロファイルを持っています。
したがって、上で説明したマルチポイントでBluetooth機器同士を接続して同じ機能を使うときは
双方の機器が同じプロファイルを持っていなければなりません。
1つのBluetoothイヤホンを同時に2つのスマホと接続して待ち受け状態にするには、同じ通話用のプロファイルを使用するわけです。
1つのBluetoothイヤホンを使って、通話用のプロファイルで1台のスマホ、音楽再生用のプロファイルでもう1台のスマホなど、別のプロファイルで複数の機器に同時に接続する場合は、マルチポイントとは言いません。
以下は、音楽・音声関係の主な接続プロファイルです。
ラディウスの名作VOLTシリーズのBluetoothバージョン。
High-MFD構造を採用し、大迫力の重低音からきめ細かい高音を楽しむことができます。
高音質コーデックのaptXに対応、ワイヤレス環境で大迫力の重低音が楽しめるラディウスのイチオシモデルです。
高音質コーデックのaptXに加え、次世代低遅延コーデックのaptX LL(Low Latency)に対応。
ドライバー部には独自技術のFLW構造ドライバーを搭載することにより、深い低音域から繊細な高音域まで広い音場の再生可能なラディウスの中でも人気イヤホンです。
通常掛けとスポーツスタイル(耳掛け)をシーンに合わせて使い分けができる、2wayスタイルのワイヤレスイヤホン。
ラディウスのイヤホンの中でも、スポーツやアクティビティなどに使用できるラディウスのロングセラーイヤホンです。
マルチペアリングは1台の子機と複数の親機を登録する機能、マルチポイントは1台の子機と複数の親機を同時接続する機能です。
両者の違いを理解した上で、Bluetoothイヤホンの導入を検討してみてください。
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